請求書の作り方

🌱請求書とは?

請求書とは、仕事の対価として報酬を請求するための正式な書類です。企業・個人を問わず、取引があったことを証明する「取引証明」として保管が求められます。

また、会計処理や確定申告の際には、取引内容を裏付ける重要な証拠書類(エビデンス)としての役割も果たします。

特に個人Vtuberの場合、企業案件やボイス収録など、さまざまな形で外部と取引を行う機会があります。そのため、報酬を正確に受け取り、トラブルを防ぐためにも、請求書を正しい形式で作成・発行することが大切です。

【補足】
最近Vtuber界隈では身バレ防止のため「つなぐ」や「アズカリ」を利用した支払い方法が流行っています。請求書払いに抵抗ある人は、そういったサービスの利用もご検討ください。

💴請求書の基本構成

✅ 請求書タイトル

「請求書」または「御請求書」

✅ 発行日

請求書を作成した日時。

一般的に、請求書に記載する「発行日」=「請求日」として扱われます。

つまり、請求書を作成・提出した日を「請求日」として記載するのが通常です。

✅ 請求番号

自分で請求書を管理するための整理番号(管理用ナンバー)です。法的に記載が義務付けられている項目ではありませんが、複数の取引や請求書を扱う際に 混乱を防ぐため、発行ごとに付けておくのが一般的です。

✅ 請求先情報

取引先名、担当者名、住所などクライアントの情報。

✅ 請求元情報

名前または屋号、住所、電話番号、メールアドレス、振込口座など。Vtuberの場合、「個人情報を極力出したくない」という問題があると思います。そういった場合は以下の記載例を参考にしてみてください。

【請求元】 
屋号:活動名 
住所:東京都〇〇区 
メール:[email protected] 

【振込先】 
〇〇銀行 〇〇支店 
普通 1234567 銀行名義  

上記の様に記載しましょう。また銀行名義から本名バレしたくない場合は、「屋号付き銀行口座」を開けば、活動名で記載することが可能です。詳しくは「開業届の概要」を確認してください。

【バーチャルオフィス】
本格的に活動をしているVtuberさんの中には、バーチャルオフィスで登記登録をする人もいます。月1万円前後で登録ができますので、是非ご検討ください。

✅ 請求金額

今回請求する金額の合計金額を記載。必ず税込なのか税抜を明記しましょう。

【税金の記載】
初めて請求書を作る人が忘れてしまうのが税金の記載です。後ほど詳しく説明しているのでご確認を頂けますと幸いです。

✅ 内訳

「配信出演料(○月分)」
「イラスト制作料」

など、請求の詳細を記載

✅ 振込先

銀行名、支店名、口座種別、口座番号、名義

✅ 支払期限

「2025年11月10日まで」

基本的に請求日から60日以内で設定をしましょう。

✅ インボイス番号

インボイス番号を取得している人は必ず記載しましょう。もし取得しているのに記載がない場合は、請求書の再発行依頼をされることもあります。

📄 書き方の実例

💻 請求書の作り方・ツール

請求書は、一から作成することもできますが、効率よく正確に仕上げるためにはソフト・ツールを活用するのがおすすめです。

上記のソフト・ツールを利用すれば、簡単に請求書を作成できます。自動で合計金額や消費税が計算されるため、ミスを防ぐことができます。

✅ Googleスプレッドシート/Excelで作成

Googleスプレッドシート/Excelで請求書を作成する人もいます。無料で使えるうえ、カスタマイズで自由に請求書を作成できるのが魅力です。自分で数式を設定すれば、自動計算や税率の変更にも柔軟に対応できます。

以下はGoogleスプレッドシート・Excel向けのテンプレートとなります。コピーして利用可能です。ご自身の使いやすいように編集して使用ください。

📒インボイスとは?

2023年10月から始まったインボイス制度により、適格請求書発行事業者として登録している場合は、請求書に登録番号を記載することが必須となりました。

この登録番号は、消費税の仕入税額控除を受けるために必要な要素であり、取引先にとっても重要な確認項目です。

一方で、登録をしていない事業者が発行した請求書は、「消費税を含まない取引」として扱われてしまい、一部の企業では取引を忌避することもあります。

そのため、個人事業主やフリーランスとして本格的に活動する場合は、インボイス登録を行うのがオススメです。

【注意】
インボイス番号を取得したら、必ず請求書に記載しましょう。請求書のわかりやすい場所に「登録番号:T1234567890123」の様に記載しましょう。

💰源泉所得に関して

🔰 源泉所得とは?

源泉所得とは、報酬や料金を支払う際に、支払う側(企業やクライアント)があらかじめ所得税を差し引いて納付する制度のことです。Vtuberやフリーランスのクリエイターが仕事を受ける場合、出演料・ナレーション料・イラスト制作料などの報酬は、この源泉徴収の対象になるケースが多いです。

【注意】
よく源泉所得税を請求書に記載し忘れる人がいますが、Vtuberの案件は99%発生するので、記載をしておきましょう。

↩️  還付される

源泉徴収は支払時に税金を一部先払いする仕組みです。最終的には確定申告で年収全体の税額が再計算され、払い過ぎた分は還付されます。

源泉徴収された金額は、必ず記録・保管しておくことが重要です。また、毎年1〜2月頃に支払側(企業・クライアント)から送られる 「支払調書」 は、確定申告の証憑として利用できます。

【補足】
支払調書を申請しないと発行してくれない企業もあります。そういった企業には毎年1月頃に連絡をしましょう。

✅ 計算方法・記載例

〇 源泉所得税の金額

報酬から10.21%を掛けた金額

【注意】
報酬額が100万円を超えた場合、100万円を超えた金額からは20.42%がかけられます。

〇報酬が50,000円の場合

  • 報酬金額:¥50,000
  • 源泉所得税(10.21%):¥5,105
  • 差引支払金額:¥44,895

〇 請求書の記載方法

「源泉徴収前の金額」
「源泉税額」
「差引支払額」

上記3点を明記しておきましょう。

💾 提出と保存

■ 提出方法

請求書は、作成後にPDF形式で出力し、メールに添付して送付するのが一般的です。

取引先によっては、指定のアップロードフォームやクラウドサービス(Googleドライブ・マネーフォワードなど)を通じて提出する場合もあります。

いずれの場合も、提出方法は事前に相手の指示を確認し、ファイル名には「請求書_名前_日付」などを含めると分かりやすくなります。

■ 保存について

発行した請求書は自分でも必ず保存しておく必要があります。

税法上、請求書や領収書などの取引記録は7年間の保存義務があり、電子データとして保存しても問題ありません。クラウドストレージや外部ドライブなど、バックアップを取って安全に保管しておくことが大切です。

この保存を徹底しておくことで、後日の会計処理や確定申告の際にもスムーズに対応でき、取引の信頼性を保つことができます。

⚠️よくあるミス

■ 消費税の表記ミス(税抜・税込の混在)

請求書に「税込金額」か「税抜金額」かを明示しないまま金額を記載すると、誤解や支払い差額の原因になります。

■ 振込手数料の負担者を明記していない

振込手数料を「どちらが負担するか」を明記していないと、相手側で判断が分かれ「入金額が想定より数百円少なくなるケース」があります。

必ず「※振込手数料は貴社ご負担でお願いいたします。」などの一文を記載しましょう。

■支払期限未記載

請求書に支払期限が書かれていないと、取引先がいつまでに振り込めばよいのか分からず、支払いが遅れる原因になります。

必ず「支払期限:○月○日まで」と具体的な日付で記載しましょう。

■金額と内訳の整合性不一致

請求金額と内訳の合計が一致していないというミスは非常に多いです。

たとえば、税抜金額と税込金額を混同したり、内訳の小計を修正して合計を直し忘れたりすると、支払い処理が保留になることがあります。

請求書を発行する前に、内訳・小計・消費税・合計金額が正確に対応しているかを必ず確認しましょう。

■ 口座名義が一致しない

請求書に記載した口座名と、実際の銀行口座名義が一致していない場合、企業によっては振込がキャンセルされることがあります。口座名義の記載ミスには十分お気を付けください。

【結婚して口座名義が変更した場合】
振込までに必ず、請求先の企業へ連絡しましょう。ここを怠ると大きなトラブルになります。

■インボイス番号漏れ

2023年10月からのインボイス制度により、適格請求書発行事業者の登録番号は記載必須項目です。

番号が記載されていないと、取引先が仕入税額控除を受けられず、再発行を求められます。

インボイス登録済みの場合は、「登録番号:T+13桁の数字」を忘れずに明記しましょう。

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