キャラデザの基礎知識

🌱 はじめに

■ 好みのキャラデザに

Vtuberのモデルは、基本的にどんなものでも構いません。自分の好きなデザインやコンセプトに合わせて自由に決めてOKです。ただし、一度作成したキャラクターデザインは、活動を続ける限りずっと付き合う大切な要素になります。後悔しないキャラクターをデザインしましょう。

■ キャラデザで伸びることはほぼない

Vtuber人口はすでに数万人います。もはや「この見た目だから伸びる」という再現性のあるデザインは存在しません。ただし、「伸びにくいキャラデザ」は確実に存在します。キャラデザが原因で、伸びの足を引っ張るケースがあります。

■ トレンドを追わない

Vtuber界隈には、伸びやすい見た目のトレンドがあります。過去には「白髪」「大きな胸」「色素が薄い見た目」などが非常にウケが良い時代もありました。ただし、そうしたトレンドは必ず廃れていきます。

トレンドを優先してキャラデザを決めた人は、「好きでもないデザインなのに…」と後悔することが多いです。そのため、伸びを優先してトレンドを選ぶのはオススメしません。

⚠️ キャラデザの正しい考え方

🎞️ デザインよりコンテンツ

Vtuber黎明期であれば、キャラデザやコンセプトで差をつけることができました。しかし、Vtuberの人口が増えるにつれて、キャラデザによる差別化は年々難しくなっています。

現在のVtuber界隈では、見た目やコンセプトよりも、企画力・編集力・トーク力の強さで伸びる傾向があります。そのため、伸びるかどうかよりも、自分が好きなデザインを採用することを優先しましょう。

  • 💖 自分が好きになれるデザイン
  • 💖 活動モチベを維持できるデザイン

 を選ぶことが大切です。

📊 キャラデザは適当でよい?

「キャラデザは重要ではないのか?」という疑問に対して、結論は「非常に重要」です。見た目がある程度良くないと、視聴者は離脱してしまいます。そのため最低限の品質ラインを確保する必要があります。

メラビアンの法則では、相手の印象はおおむね以下の割合で左右されるとされます。

  • 話の内容:7%
  • 声のトーン:38%
  • 見た目:55%

つまり、初見はほぼ見た目の印象で決まるという示唆があります。そのため、見た目のクオリティが一定以下だと、企画やトークが良くても視聴前に脱落されやすい、という構造が起きます。

☠️ キャラデザは地雷を踏まないこと

キャラデザで失敗しないコツは、自分の好みを大切にしつつ地雷を避けることです。「伸びるデザイン」を狙うよりも、「伸びにくいデザインを避ける」方がはるかに再現性があります。本記事では、キャラデザの地雷要素を解説させて頂きます。

⚡ 地雷①:キャラと中身の不一致

キャラクターデザインで多い失敗が、「見た目と中身のズレ」です。見た目の印象と実際のトーク内容・声・性格が一致していないと、視聴者の期待を裏切り、離脱につながる原因になります。

💬 キャラと中身の不一致の例

  • 可愛いアイドルの見た目 → 実際は男性の声
  • マッチョの見た目 → 声が女性声
  • 明るそうな見た目 → 超ネガティブなトーク

こうした 「期待と実際のズレ」 は、ファンが感情移入しづらく、応援されにくい構成になります。特に初見リスナーにとっては、第一印象の段階で「チャンネルを閉じる」理由にもなってしまいます。

🧠 ギャップの論理

「ギャップ萌え」と「不一致」は似て非なるものです。

✅ ギャップ萌え

マイナス印象 → プラス評価に変化するパターン

例:不良キャラが優しい、クールな人が照れる

❌ ギャップ冷め

プラス印象 → マイナス評価に落ちるパターン

例:可愛い見た目 → 下品なトーク

👗 奇をてらうなら「新衣装」で

ベースとなる衣装やデザインでは、安定感を重視しましょう。「意外性」や「ギャップ」を狙う場合は、新衣装で実装するのが安全です。

たとえば、普段は落ち着いた男性配信者が、アイドル衣装で陽気なキャラを演じるなど、一時的な変化であれば、視聴者も受け入れやすいです。

🧭 確認ポイント

✅ 活動内容とデザインの方向性を一致

デザインと活動方針が一致しているか?

例:アイドル活動 × アイドル風モデル

✅ 声・話し方が合っているか?

性格・話し方・声質がキャラから大幅にズレていないか確認。

【ポイント】
第三者に確認してもらうのがおすすめです。特に「違和感がないか?」という点をチェックしてもらいましょう。

✅ 性別設定

モデルと声の性別を一致させましょう。性別の矛盾があるなら、ボイチェンなどで調整しましょう。

👾 地雷②:ゲテモノ系

キャラデザで二つ目の地雷が「ゲテモノ系」です。一見インパクトが強く、話題性を狙えそうに見えますが、実際にはファンが定着しにくいのが現実です。というより、現在のVtuber界隈では見た目によるバズはほとんどありません(年に数回程度)。また話題になった後、ファン化が上手くできず定着しないケースが多いです。

Vtuber市場では「美男美女の人型モデル」がリスナーの中で基準値となっており、そこから大きく外れるデザインは、親近感を持たれにくい傾向にあります。

💬 ゲテモノ系の例

  • ブサイク系モデル
  • あえて画力を落としたモデル
  • 無機物(建物・武器・日用品など)モデル
  • ネタ枠・奇抜デザイン系

こうしたデザインは、ネタ的な面白さがあっても長期的にファンを維持しづらいため、初期の段階で離脱されやすくなります。

🧩 キャラデザのニッチ戦略

キャラデザでニッチを狙うという戦略を取る人もいますが、実はあまり意味がありません。というのも、多くのVtuberリスナーはキャラデザの特徴で検索しないため、見つけてもらう経路が存在しないのです。つまり、キャラデザによる「ニッチだから伸びる」は幻想に近い考え方です。

ただし、一部のキャラデザには「キャラデザ自体」で検索される傾向もあります。

✅ 需要があれば成立

市場に「検索需要」があるジャンルであれば成立します。

例:ケモナー・獣人系Vtuber
例:頭部人外系

❌ 需要が無ければ不成立

市場に「検索需要がない」ジャンル(無機物など)は成立しません。

例:汚らしいおじさん
例:冷蔵庫系Vtuber

【注意】
「目新しさ=差別化」になるのは、リスナーが受け入れられる範囲の話。 市場に存在しないニッチは、単なる孤立になりやすいです。

💪 ゲテモノでも伸びるケース

ごく一部の例外として、以下のようなケースではゲテモノでも成功することがあります。

  • 圧倒的にトーク・編集・知識力がある(YouTuber型の運用)
  • キャラデザに依存しない価値提供ができる

ただし、これはナイトメア難易度。強烈な個性と継続力、そして「中の人の実力」が問われます。デザインだけで差別化を狙うよりも、中身の価値で勝負する覚悟が必要です。

👗 地雷③:服装デザインが簡素

キャラデザで三つ目の地雷は「服装デザインが簡素すぎる」ことです。一見すっきり見えるものの、他のVtuberと並んだ際にクオリティが低く見えてしまうことが多く、初見リスナーに与える印象を大きく損ないます。

💬 服装デザインが簡素の例

  • 無地のTシャツ
  • 装飾のない制服
  • テンプレートの冒険服

いわゆる無課金装備のようなデザインは注意が必要です。

📊 なぜ簡素な服装が危険なのか

Vtuber界隈では、キャラデザの平均クオリティが年々上昇しています。その結果、「情報量が少ないデザイン=手抜き」と誤解されるケースが増えています。

視聴者の目は非常に肥えており、「一定以上のデザイン完成度」が信頼の基準になっています。見た目で「なんか安っぽい」と思われてしまうと、その時点でチャンスを逃す可能性があります。

【簡素な服装は安い】
シンプルなデザインの多くは、低価格モデルで採用されがちです。そのため、視聴者の中には「簡素な服装=本気度が低い」「活動への投資が少ない」と感じる層もいます。

🧭 対策ポイント

  • 「にじさんじ」などの新人モデルが最低ラインと考えましょう
  • 胴体より上だけで良いので、色数・装飾・小物を増やして情報量を上げる
  • シンプルが好きなら、新衣装として後から出す

【下半身は重要じゃない?】
サムネや配信で映るのは上半身がほとんどです。そのため、デザインを考える際は上半身を優先するのがおすすめです。

🎨 地雷④:画力が素人

キャラデザで最も致命的な地雷のひとつが、「画力が素人レベル」なデザインです。どれだけコンセプトや服装デザインが優れていても、絵のクオリティが低い時点で離脱されてしまうケースは非常に多いです。

💬 よくある失敗

  • 友人の絵師さんに頼んでしまう
  • プロレベルの絵師じゃないのにセルフ受肉で頑張る
  • Vtuberモデルの経験が無い人へ依頼
  • 相場を知らないで格安の絵師へ発注
  • IRIAM時代のママに依頼する

【注意】
IRIAM絵師のクオリティが低いわけではありません。ただし、IRIAMでは1枚絵で活動できるため、セミプロでも見栄えが良く見えるケースがあります。しかし実際にVtuberモデルとして作成する場合は、正面顔をしっかり描く必要があるため、その過程で画力の粗が露見することがあります。

🧠 画力が低い特徴

絵柄の好みとは関係なく、「基礎画力が足りていない」ことでクオリティが低く見えるパターンです。

  • デッサン(体の比率・骨格)が崩れている
  • パーツの位置が破綻している(目・口・首のズレ)
  • 色塗りが雑で、原色を多用している
  • 線が均一で立体感がなく、のっぺりして見える

📊 にじさんじレベルが必要

Vtuber界隈では、キャラデザの平均クオリティが年々上昇しています。その結果、「画力が低いVtuber=地雷」と考えられるケースが増えています。

視聴者の目は非常に肥えており、「一定以上の画力」が信頼の基準になっています。有名な絵師に頼む必要はありませんが、無名でも一定の画力がある絵師さんに依頼することが重要です。

最低限、「にじさんじレベルのモデル」を目安にするのが安全ラインです。

【補足】
「画力=フォロワー数」ではありません。SNSに無頓着なだけで、無名でも非常に画力の高い絵師も多く存在します。
そういった人を探す際は、クラウドワークスやココナラで探してみるのもおすすめです。

🖌 ポートフォリオを確認

依頼前に、必ずLive2D化されたモデルの実績をチェックしましょう。商業案件でなくても構いません。趣味作品でも、完成度を見るだけで十分判断できます。

【たまにいるのが】
一部の絵師には、依頼を受けたあと弟子やアシスタントに作業を丸投げするケースもあります。もし、サンプルと比べて大幅にクオリティが低い場合は、「本人が担当しているか」を確認しましょう。

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